悲 喜こもごも ガラスの30代

かつて80年代最強の男性アイドルグループとして、ジャニーズの威光を天下に知らしめた「光GENJI」。そしてグループの顔、
センター・ポジションだった「カーくん」こと諸星和己は、当時全国女子の人 気を一身に集め、乱舞するカクテル・ライトの下、
頭につけた羽根飾りと長いハチマキを風になびかせ、ローラースケートで颯爽と滑走していたわ けだが、2007年の今や自虐ネタを
バラエティ番組で進んで披露する、すっかりイタいキャラになっている現実は、20年という歳月がもたらす栄枯 盛衰を感じずにはいられない。

そして、2007年10月28日の赤坂晃・元メンバーによる覚醒剤所持現行犯逮捕が、 追い討ちをかけるかのように栄光の失墜を天下に印象づけた。

「ガラスの十代」(1987年11月発売)から奇しくも20年目の逮捕。当時14歳(カーくんは17歳)だった赤坂メンバーは、逮捕時には
離婚直後で一児の父、34歳の先行き不安な現役芸能人として、心中はガラスの30代だったのかもしれない。

2008年現在、3度目の正直逮捕&実刑で鳴らす80年代芸能人の先輩トリオ(横浜銀蝿の翔・シャネルズの田代まさし・岡村靖幸)が、
それぞれ出所復活、出所真近、服役中という状況だが、赤坂メンバーにはそうした轍を踏むことなく、一発更生を望む次第である。

あの北公次ですら、シャブ漬け→逮捕→離婚→ジャニー告発本刊行→ジャニーズ敵対から、24年ぶりにフォーリーブス再結成を、
同じく覚醒剤で逮捕された江木俊夫メンバーと共に成し遂げているわけだが、その北公次のジャニー告発本「光GENJIへ」
(光GENJIの全盛期1988年に刊行)からも20年、今更ながらに因縁を感じずにはいられない。

ちなみに公ちゃんは、翌年(1989年)もしつこく「光GENJIへ、再び」でラブ・コール(苦笑)

その北先輩へのアンサー・ブックとでも呼ぶべき(なのか?)カーくんの自著告白本「くそ長~いプロフィール」(2004年刊)は、
当時の女子ファンを幻滅させて余りある内容だが、それでも復帰できる芸能界 という世界は魑魅魍魎の棲家である。

さらには、40歳目前にしてアイドル・スマイルで脱・「結婚できない男」宣言のカーくんは、イタさを超えて微笑ましい永遠のアイドルである。




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