一般OLと風俗嬢の区別がつかなくなったバブル期ファッション
「ワンレン」「ボディコン」と言ってまず思い出すのが、この2人。
そう、「W(ダブル)浅野」と言われた「浅野ゆう子」と「浅野温子」ですが、
バブル期トレンディドラマの「抱きしめたい!」('88年)出演が話題で
その印象がありますが、確かにワンレン&ボディコン姿もあるものの、
当時彼女達は既に28歳と27歳。(ドラマ設定では共に29歳)
むしろナチュラルな魅力がウリでした。
そのファッションセンスと、軽やかに男とわたりあう颯爽とした姿が
同性からの支持も集め、広い意味でのトレンド・リーダーとして
認められているような観がありました。
それとは対照的に、単純にもっともワンレン・ボディコンが似合う代表格と言えば、この2人。
田中がバブル絶頂期のフジ月9「気持ちいい恋したい!」('90年)出演時が23歳。
千堂が同じくフジ月9「東京ラブストーリー」('91年)出演時が22歳。
世間では短大や4大卒ならば新人OLくらいの年齢ですが、彼女達のヘアスタイルや
コスチュームは、まさにその当時の一般的OLファッションと言っていいでしょう。
これでオフィスに通勤。制服がなければこのままですから、当時のオフィスが
いかに素晴らしかったかは、30代後半以上の男性ならば記憶に鮮明でしょう。
今ならば、キャバクラ嬢ですらもっと地味な格好かもしれませんが、当時は
こんな格好のままアフターファイブは社員同士で飲みに行ったり、
カラオケに繰り出していたのですから、たまりません(笑)
しかも街中がこんな格好であふれていたのですから、異様な光景でした。
まあ、当時は当たり前の感覚でしたが(苦笑)
なにも飛び抜けてセクシーなOLがワンレン・ボディコンだったわけではなく、
一般OLのほとんどが普段着感覚で着こなしていたわけで、目立ちたがりは
スカートの丈を極限まで短くしたり、くるぶしにアンクレットをつけてみたり、
ハイヒールのピンヒールを10センチ近くしてみたり、腰のチェーンベルトや
イヤリングが巨大なゴールドになったりと、限りなく「お水」なスタイルに近づいていきました。
ちなみに田中美奈子は87年にCXドラマ「生徒諸君」でデビュー。
千堂あきほはCX「オールナイトフジ」司会という経歴があります。
さらに番外編として、アイドル路線のワンレン・ボディコン「森高千里」がいます。
肩パッドもさらに戦闘服化し、ワンレンの前髪もトサカが基本となった頃。
エナメル素材やラメもお約束になり、(まあ、彼女の場合は時代の要請と戦略 から、
かなり狙って打ち出してきたカリカチュアではあるにせよ)
ビジュアル的にはこれで「ジュリ扇」を持たせれば、そのままお立ち台に直行という、
アフターファイブOLの典型のようなファッションでした。
そう、バブル絶頂期の89年、彼 女が力強く繰り返し歌う「♪ちゃんと私、見て!!」という、
その自作の歌詞に象徴されるように、OL 達はボディコンシャスなラインを強調し、やがては
背中は丸見え、パンツ丸見えも当たり前の、露出狂時代を出現させたのでし た。
※1987年、電波法が改正され、ついに個人用携帯電話サービスが開始されたこの年、
それでもまだ街中では地上げ屋以外は個人用携帯電話はほとんど見られませんでした。
解禁された「コードレス」ホンはまずは家庭内向けに商品化され、留守電機能付き
(マイクロカセットテープが主流)が、バブリーなライフスタイルを演出するアイテムとしてヒット。
森高もテレビコマーシャル(パイオニア製・小電力コードレス留守電「TF-W5」)に起用され、
先鋭化した黒のエナメルボディコンスーツで、ワンレンをなびかせながらコードレスの利点をアピールする映像が
ブラウン管に流れました。
彼女のデビューは1986年の「ポカリスェット」TVCFオーディションでの優勝であり、
1989年リリースの「17才」(当時20才)でユーロビートに乗ってブレイクしたこ とを考えると、
森高千里はバブル80年代の絶頂期こその産物とも言えます。
また、時代の勢いの恐ろしさは、上記のグラビアモデル系のみならず、歌謡曲アイドルまでも
否応なく呑み込んでゆきました。80年代前半は対聖子戦略で可愛い不良路線がウリだった中森明菜も、
1988年のバブル全盛期には、テレビコマーシャルで時代に迎合。
極細ピンヒールのハイヒールに、大胆なバックベアの超タイトなボディコンで、ワンレン振り乱して踊っ ていました。
蛍光色や柄物ではなくブラックで統一し、BGMがユーロビートではなくロックなのが、
せめてもの明菜スタイルだったのでしょうか。
さて、ここで「ワンレン」「ボディコン」とくれば忘れてならないキーワードに「ハイレグ」があります。
それまではビキニ型の水着面積の狭さを競っていたのが一気にかすれてしまうほどに、
ワンピース型水着のカッティング角度が鋭角化してゆきました。
バブル全盛期のビーチでは、あのテリー伊藤が「天才・たけしの元気が出るテ レビ」の
プロデューサーとしてロケに乗り込み、観光客女性の水着ハイレグ角度を計測するコンテスト
などという企画までが実現したほどの流行でした。
千堂さんは、こんな感じですね。
ほかにも同世代としては「杉本 彩」や「立河宜子」などが思い浮かびますが、
バブル期でなくても露出気味(笑)で下ネタもOKという点が、一般OLとは若干ズレがあるので参考になりません。
まあ、そういうOLもいましたが(笑)
つまりバブル期当時はホステスやレース・クィーンと机を並べて仕事をしていた
と言えばわかりやすいかもしれません(爆)
【参考動画】
田中美奈子から杉本彩へのマイク・リレー、そしてバブル期ミュージカルのような中年リーマンオヤジ達との戯れ。
さらに解説に高田純次という、バブル期ならではのあまりにもお馬鹿すぎる演出が、浮かれた当時をよく現している。
そこにマジに賞賛コメントする故・木原光知子も違う意味で浮いているが、木原の隣には愛想笑いを浮かべる酒井法子。
そして、背後には笑わないアイドルWINKが。
セクハラもなんのその、当時から殿方目線を釘付けにすることにむしろ快感を隠さない杉本彩だったが、
清純派バブル期アイドルWINKさっちんが、やがてバブル崩壊から日本の「失われた20年」を経て、
ソフトAVに主演するとは一体この時、誰が想像し得たであろうか。
ちなみに、バブルに突入した86年にスタートした伝説のTV番組「OH !エルくらぶ」は、
元 祖女子大生アナの南美希子と現・長野県知事の田中康夫の80年代コンビが
現役OLの皆さんを毎週大挙してスタジオに招き出演させ、ファッションやメイク(トニー田中!)などの
OL向け情報を紹介する構成でしたが、絶頂期にはこんなCDまでリリースされるほどの、
OL=オヤジギャル認識が世間で一般化(収録曲に「オヤジギャルと呼ばれたい」・苦笑)しました。
【おまけ】
浅野ゆう子が2001年(41歳)を迎えて、雑誌「新潮45」にしみじみと語るインタビューがありました。
以下、一部その内容を抜粋すると〜
「私は、まだ結婚していませんし、子供もいませんから、母親としての本当の気持ちは分らないかもしれない」
「現在、30、40代の私達の世代が生きてきた時代というのは、いわゆるバブルの時代でした。
だから、何でも欲しいものを手に入れたい世代だとも言われたりしました。
私とほぼ同世代の女性ですが、音羽のお受験殺人の母親とか、渋谷の東電OL殺人事件の被害者がまさにその世代で、
雑誌の編集部の方々のお話では、これらの事件を取り上げると、むしろ犯人の母親や被害者のOLに同情する声が
同じ世代から沢山寄せられるそうです」
「何が偉いといって、この世の中、母親ほど偉い人はないと思います。こんな生きにくく難しい時代に、
家庭を守り子供を育てあげるって、つくづく母親というのは偉大だと思います。私には、ちょっと出来ないかもしれません。
私の場合、現実には子供というか、飼っている犬3匹を育てるにも手一杯です。しかも犬ですら言うことを聞かない状態なのですから。
最近は出産が年齢的には、45歳まで大丈夫だそうです。そうすると、現実にはまだ産めるわけですが、
育てる自信はとてもありません」
「今、BSフジで「JJママ!」というエルメスを着たサザエさんのようなシロガネーゼの奥様役をやっているんですが(後略)」
「これから、まだ結婚して子供も産むわけですが、リミットはどんどん近づきつつも、「どうしても結婚したい」とか、
「どうしても出産したい」というのはないですね。まあ、年取った時に、子供がいないのは寂しいかなという気もしますが、
じゃあ子供が面倒を見てくれるかと言えば期待できない。私は母親の面倒を見るつもりでいますけど、なかなか
そういう子もいないでしょうからね。本当にどうなっていくんでしよう」
「でも、それにはまず、生活が安定するだけの貯金をしないと(笑)。120歳まで現役だったら、貯金しなくてもいいという人もいます
が、
女性で独身で一人だと、60歳過ぎるとお部屋借りられなくなるじゃないですか。しかもローンも組めなくなるし、保険だって入れない。
そんなこと浅野さんが考えるんですかという人もいるんですが、考えますよ。ならば、家を今買っておけばいいという人もいるんですが、
まだ買ったら下がるかもしれませんからね(笑)」
「結婚して子供が出来て、立派に子育てできる生き方が女性の正道だとすれば、私は横道にそれているかもしれません。
でも邪道といわれても、独りで楽しく、勝手気ままに好きなことをやりながら生きている。これも一人の人間としての生き方の
正道を歩かせてもらっているんじゃないかなっていう気がします」
〜というわけで、1960年生まれの元祖トレンディ女優「浅野ゆう子」さんのお話からは、日本の少子化は
もはやバブルを謳歌した30代後半から40代前半の女性には止められず、まともな子育ても期待できないし、
子育てストレスにも耐えられない。ペットで十分という結論をいただきました。説得力がありますね(苦笑)
【このインタビューの2年後の統計数字】
犬・猫ペット数:1,922万4,000匹 VS 15歳以下の児童数:1,922万3,000人 (2003年)
ついに犬・猫が人間の子供を逆転 ................