2009年「FMエアチェック」(死 語)が30年ぶりのアゲーン!


2009年、GDPが遂 に1974年のオイルショック不況以来の下落率マイナス10%台へ急落し、今や戦後最大の経済危機へ堕ちたニッポン。

そして自殺者数が1998年の金融危機以来、10年連続 3万人超えの記録を更新中の自殺大国ニッポン。

また、企業都合による新卒学生の就職内定取り消しが 1200人を突破し、バブル崩壊以降の最悪記録が止まらないニッポン。

フリーターにいたっては、今や全員リストラの 勢いで10万人が路頭に迷うニッポン。

皆様、いかがお過ごしでしょうか?


そんな、経済的には「おまえはもう死んでいる」(by ケンシロウ)我がニッポンですが、翻って、あの80年代初頭の、

バブルすらまだ未到の、円高不況とは言いつつも戦後成長経済基調で明るい未来が信じていられたあの頃の、

CDもMDもJ-WAVEも無かったけれど、音楽ファンにはFMラジオ放送が欠かせなかった時代。


そんな時代の公共放送NHKが生んだFM音楽放送番組「サ ウンド・ストリート」('78-'87)が、なんと当時のアナログ音源を、

一般リスナーがラジカセでエアチェックしたカセットテープによって素材募集し、30年ぶりにデジタル化して

NHK-FMで再放送するという、この80年代復興委員会も恐れ入る復興運動を展開しています。


エジプトのクフ王の末裔が、ピラミッドから盗掘された先祖の財宝の寄進を呼びかけて、戻ってきた財宝を修復して

今また一般展示に供するかのような、人類共有の財産としてその保存・公開に努める姿勢は素晴らしい限りであり、

80年代復興委員会はNHKを模範的復興委員として素直に顕彰したいと思います(笑)

さて、その復興プロジェクトの拠点となっているのが、その名も「NHK青春ラジカセ」という、あざとさとNHKらしさが

あまりにもベタな、ダサカッコイイWEBサイトですが、トップページがいきなり鈴木英人のウェストコースト風イラスト。

これだけでも当時は最後発FM雑誌(というジャンルが成立していたのが80年代初頭)の「FMステーション」('81年創刊)で

鈴木英人のイラストレーベルをせっせと切り取りながら、レタリング貼りに失敗しては泣いていた大学生の目頭も

思わず熱くなろうというものです。


そして、このサイトではまだ数は少ないながらも当時の番組音声を公開中であり、元春や坂本教授や渋谷陽一先生の

若き日のDJトークが聴けるという(烏丸せつこも・苦笑)、またその操作インターフェースが、無造作に積まれたカセットケースの山から、

手書きのレーベル背表紙をクリックすると、カセットハーフのリールが回り出すという、ベタだが、しかし大正解な演出がなされており、

インターネット時代の今は、テープの巻き取りの失敗やら、伸びきる心配やら、カビやら、磁気障害やら、整理保管場所の問題やら、

そうしたものから一切解放されたのだから、30年待った甲斐もあるというものです。


さらに、このサイトでは、「エアチェック80's」なるエッセイを載せており、当時の平均的な高校生(中学生)男子の、

エアチェックライフ(と言うよりは儀式、というか楽しい苦役)の回想録という形で、80年代の時代考証をしています。

やはりエアチェックは70年代末から80年代初頭にかけての流行だったことが今更ながら思い出されます。


NHKの復興運動は時代の証言という形で、出演DJだった佐野元春・烏丸せつこ・渋谷陽一各氏のインタビューをはじめ、

当時の番組ディレクターだった湊剛氏や、1980年にイラストレーターデビューした鈴木英人氏のインタビューをも掲載するだけでなく、

今回のために鈴木英人氏に描きおろしさせたイラストを、カセットレーベルにレイアウトしてダウン ロードさせるなどの徹底ぶりで、

NHK-FM40執念もとい40周年にあたる2009年3月に向けたアーカ イブス構築への気合いを感じます。

※坂本龍一のインタビューは2月20日現在において未掲載ですが、2月28日(土)に「坂本龍一アーカイブススペシャル」の タイトルで、
「サウンド・ストリート」を含む、坂本龍一出演番組を中心とした本人による回顧解説番組がNHK-FMにてオンエアされます。


放送局自ら(当時の音源を保存していなかったという事情はあるにせよ)、リスナーが録音した素材の拠出を求めて、

それをデジタル化して再放送するという試みは、テレビを含めた民間放送業界が収益的には全滅と言われる今、特に

BGMとしてすら、その存亡が取りざたされているFM放送業界にとって、やはり親方日の丸と国民徴収という特殊法人ならではの

プロジェクト遂行の余裕を見せつけています。

このプロジェクト、国民とのコラボレーションという意味では、まさに「皆様のNHK」と言えましょう(笑)


で、テープの集まり具合も気になるところですが、来る2009年3月3日~28日に、20回シリーズでNHK-FMにてON-AIR。


中高生諸君!もとい中高年諸君!

あの日を思い出して30年ぶりのエアチェックに挑戦してみないか!


え?ラジカセ壊れてる? カセットテープなんて無い? ラジオすら聴かない?

そうですね。

NHKさん、ネットで再送信お願いします(爆)



【追記】 

こちらは当時(1981年)東京エリアではNHK-FMと2局体制だった一方の選択肢「FM東京」の人気番組

レコパル音の仲間たち ~糸井重里のサウンドワークショップ』は、NHK-FMの「サウンド・オブ・ポップス」や、

翌1982年のNHK教育テレビ「YOU」での司会抜擢にも連なる、糸井センセイの熱くならない兄貴トークが心地良い、

「レコパル」(サウンド・レコパル&FMレコパル)ブランド小学館の1社提供だったが、コンポ派におなじみの

故・TRIOの時報CMと共に始まる、エアチェック派には欠かせない、フェード・イン&アウト無しの

アルバム楽曲フルコーラス・オンエア番組として重宝したものである。


以下は、1981年5月21日にリリースされたセカンドアルバム「SILHOUETTE(シルエット)」のプロモでゲスト出演した

松田聖子のトークと、聖子を発掘し、後にソニー・ミュージック・アーティスツの社長を務めることになる、CBSソニーの

プロデューサー若松宗雄氏のインタビューを交えたエ アチェックである。





inserted by FC2 system